運営者プロフィールはこちら
統計

MEWMA管理図ってなに!?

 
こんにちは!ウマです.
最近研究で忙しくて,ブログを書けてませんでしたので久しぶりの投稿になります.
 
なので,今日も研究関連の記事になります.
自分のための備忘録としての意味もあるので割とざっくり書いていきたいと思います.
 
研究の過程で多変量管理図の中のMEWMAに興味を持ったのですがネット上にあまり情報が落ちていなかったのでこのブログで紹介しようと思います
 
まず,MEWMA管理図とは何か
MEWMAとはLowry et al.(1992)が提案した多変量指数加重平均管理図(Multivariate Exponentially Weighted Moving Average Control Chart)
Lowryの論文は以下のURLからアクセスできます.ただ,Technometricsの古い文献なのでアライアンスを取っている大学や会社のPCからでも有料かもしれません.
多変量の項目が存在するとき,最新のデータと過去の累積データに対してそれぞれ指数により重み付けをすることで,異常の程度が微小な場合においても優れた検出力発揮します.
 
結構,純粋な一変量に対するEWMA管理図に関する情報はあるんですけどMEWMAに関する情報はないんですよねえ.ざっくり説明しますね.
 

平均ベクトルμ 分散共分散行列Σ の多変量正規分布からXi(i=1,…,N)のデータが得られたとします.

その時,それらのデータをそのまま用いるのではなく,重み付けした統計量ベクトルを以下に定義します.

rは低減パラメータであり,r=0.1,0.2あたりが良く用いられます.また,r=1.0の時,ホテリング統計量に一致します.
さらにこの時分散共分行列は以下のように定義されます.

そしてこれらの統計量ベクトルと分散共分散行列からMEWMA最終統計量を以下のように算出します.

この統計量を用いて工程の変化を検知するわけですね.
この時,パフォーマンスの指標としてはARL(Average Run Length)というものを一般的に使用します.

これは,異常と判定されるまでどのくらい正常状態が続いたかを示すもので,正常状態におけるARLをIC-ARL(In Control ARL)と呼び,異常状態におけるARLをOC-Control(Out of Control)と呼びます.

IC-ARLは大きければ大きいほど良く,OC-Controlは小さければ小さいほど良いです.

シミュレーションなどで精度を比較する際はIC-ARLを一定の値に固定した上でOC-ARLの値を比較します.

まあ実際シミュレーションまわしてみましたけど結構MEWMA優秀なんですねえ.工程の微小な変化には圧倒的に強いです.

同じように工程の微小な変化に強い手法としてMCUSUM(多変量累積和管理図)がありますがそちらは勉強不足なので次回また機会があればまとめたいと思います.

工程管理のEWMAやCUSUM管理図を詳しく説明している書籍で仁科先生の本がありますので,もっとつっこみたい人はそちらを参照なさってください.

 

非常に分かりやすい本なので見てみるといいと思います!

ただ,多変量ではなく単変量なのでMEWMAやMCUSUMが気になる人は論文を読むのがいいと思います.
 
さきほど挙げたLowry(1992)の論文以外にも良い論文があるので下に挙げておきますね.英語ですが笑
 

 

ABOUT ME
ウマ
デジタルマーケター 大学院で統計学専攻 読書・映画鑑賞・アウトドア・海外旅行が大好き とにかく趣味を発信して生きていきたい